海外情勢

血圧降下剤 米で波紋広がる 発がん性物質混入 訴訟2000件予想

 米国で広く処方されているジェネリック(後発医薬品)の血圧降下剤に発がん性物質が混入していた問題で、製薬会社と販売業者を相手取った訴訟が相次いでいる。原告の弁護士からは今後2年間で2000件前後に膨らむとの見方も出ている。

 これら医薬品は高血圧症や心不全などよく見られる疾患の治療薬として数十年前から利用され、米国では多くの患者が服用してきた。現在は米食品医薬品局(FDA)の監督下で回収が広がっている。

 約50件の訴訟の一本化に携わっている弁護士のダニエル・ナイ氏はニュージャージー州の連邦地裁の判事に対し、今後2年間で約2000件の訴訟が提起されるとの見通しを示した。会議の発言録から明らかになった。

 昨年7月、中国の浙江華海薬業が製造したバルサルタンで発がん性物質のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出され、FDAの下で回収が始まった。不純物が入ったバルサルタンは多くの大手製薬会社に販売され、他の心臓血管系治療薬の原料として利用されていた。

 提訴されたのは華海薬業とその関連会社が中心だが、訴状にはテバファーマスーティカル・インダストリーズやマイランなどジェネリック大手のほか、薬局と薬剤給付管理会社(PBM)を運営するCVSヘルスの名前もある。

 FDAによると、問題発覚の4年前から製剤へのNDMA混入は続いていた可能性がある。不純物を含んだバルサルタン服用が原因でがんを発症した患者の数は不明。

 華海薬業の広報担当者はコメントを拒否した。(ブルームバーグ Anna Edney、Margaret Cronin Fisk)

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