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事業モデル崩れグレーな営業手法横行、地銀に迫り来る再編圧力 (1/2ページ)

 多くの地方銀行で減益決算が常態化してきた。東京証券取引所などに上場する地方銀行78社の2019年3月期決算は全体の約7割に当たる54社が減益か赤字で、20年3月期も56社が減益を見込む。超低金利が長期化し、融資の利息で収入を得る伝統的な事業モデルが崩壊。手っ取り早く稼ごうと、顧客に金融商品を押し込む危うい営業手法も目立つ。各行単独でじり貧を脱する展望は描きにくく、業界再編への包囲網は確実に狭まってきた。

 「融資が決まったし、付き合うべきかな」。機械商社の社長は昨年秋、関東の地銀の支店から提案されて「節税保険」に入った。保険料は年600万円と高額だが、法人税の負担を軽減でき、途中解約すれば返戻金で支払いの大半を取り戻せるという触れ込みだった。

 ところが保険契約後、融資は「本店で覆った」とされ、水の泡に。本来必要のない保険だけが残った。

 契約ごり押し

 地銀業界では、融資を約束してから実行するまでの期間に、保険や投資信託の契約を実質的に迫る動きが横行しているとされる。融資実行とセットにした「優越的地位の乱用」を形式的に回避しつつ、手数料を稼ぐグレーな営業手法だ。

 この社長は、経営支援を求めた別の地銀にコンサルティング会社との契約をごり押しされたことも明かし「中小企業と寄り添う誇りはないのか」と疑問を投げ掛けた。

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