国内

日米貿易交渉 漂う膠着感 車・農産品関税下げで溝深く

 日米両政府が25日、貿易交渉の閣僚級協議を開いたのは、27日の首脳会談を前に交渉を少しでも進展させたいとの思惑からだ。だが、米国は来年に大統領選、一方の日本も今夏に参院選を控えて互いに譲歩の余地は乏しく、交渉は手詰まり感も漂う。

 日本は昨年末に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、今年2月には欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)を発効させている。TPPには牛肉の対日輸出で米国のライバルとなるニュージーランドやカナダが参加。経済連携協定に参加していない米国は関税の引き下げがないため、農産品の対日輸出で競争力が低下している。

 このため、米国内には交渉対象を農産品に絞ることで「すぐにでも貿易協定を結びたい」(パーデュー米農務長官)といった声すらあがっている。大統領選を控え、トランプ米大統領も早期妥結を求める農業関係者の声をないがしろにはできない。

 これに対し、日本は「貿易協議で、ある分野だけを先行して合意するやり方は取らないのが基本だ」(茂木敏充経済再生担当相)として、農産品に対象を絞った合意を否定する。参院選への影響を避けるため、農産品の関税引き下げ合意は今夏以降に持ち越し、同時に米国の自動車関税の撤廃も求める。「米国が何も譲歩せずに、日本だけ農産品の関税を引き下げるのは難しい」(政府高官)というのが日本側の本音だ。

 トランプ氏は今回の来日を国賓として天皇、皇后両陛下と面会するのを最大の目的と位置付け、貿易交渉への言及は少ないとの見方もある。だが、米政権は日本からの自動車輸入は「安全保障の脅威」と訴え、強硬姿勢を崩していない。日本側は「米国の出方は読めない」(政府高官)として警戒感を緩めていない。(大柳聡庸)

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