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日本発の果実、中韓に流出 農水省が保護へ法改正へ (2/2ページ)

 政府は農産物の輸出を目標の1兆円からさらに拡大させていくことも視野に入れている。このため、今後、開発される新品種の保護を強化していくことで、日本産と海外流出した品種が競合する事態を回避したい考えだ。

農産物の新品種海外流出問題

 日本発のシャインマスカットは、苗木が流出し、中国で「陽光バラ」などの名称で販売されている。韓国でも栽培、販売され、香港、タイでは中国産と韓国産、マレーシア、ベトナムでは韓国産の販売がそれぞれ確認されている。

 イチゴの「レッドパール」「章姫(あきひめ)」は韓国内の一部生産者に利用が許諾されていたが、それ以外の第三者に苗などが流出して無断で栽培され、韓国内で流通している。昨年の平昌冬季五輪では日本の女子カーリングチームが休憩時間に韓国のイチゴを食べていたのが注目された。だが、同年3月、当時の斎藤健農林水産相は記者会見で「韓国で生産されているイチゴは、日本から流出した品種を基に交配されたものが主だ」と指摘した。

 一方、和牛の受精卵や精液の海外流出も問題視されているが、和牛は種苗法の保護対象には含まれない。

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