国内

「商業用」捕獲枠、近く決定 調査捕鯨分の穴埋め焦点

 水産庁は7月に予定されている31年ぶりの商業捕鯨再開に向けて、捕獲枠を近く決定する。現在市場に供給される鯨肉のうち、半分程度の年間2500トン前後が再開後に取りやめが決まっている調査捕鯨分のため、商業捕鯨で穴埋めする水準になるかどうかが焦点だ。

 現在の国内市場への鯨肉供給は調査捕鯨の副産物、国際捕鯨委員会(IWC)が規制していない小型捕鯨やイルカ漁などによる捕獲、捕鯨国アイスランドとノルウェーからの輸入に分かれる。

 調査捕鯨のデータなどから推計すると、2017年の供給は全体で約5200トンで、日本沿岸を含む北西太平洋や南極海で実施した調査捕鯨分はほぼ半分の約2800トンを占めた。輸入は約1700トンで3割だった。IWCを脱退する日本は領海や排他的経済水域(EEZ)で商業捕鯨を実施するが、捕獲枠は資源が減少しないようにするためIWCで採択された方式で算出する水準以下で設定する方針だ。

 その結果、商業捕鯨の捕獲枠が少ない場合、輸入を増やせば供給は維持できる。販売不振で在庫が積み上がるリスクが減る一方、国内で捕鯨関連の従事者がさらに減ることで鯨肉離れが一段と進む可能性もある。商業捕鯨を担う事業者からは「あまりに枠が少ないと採算面の不安が大きくなる」との声が出ている。

 商業捕鯨はミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラが対象だ。鯨肉販売に携わる関係者は「各鯨種の捕獲量の比率が需要に合うかどうかも気にしている」と話す。

 一方、輸入相手からは貿易関係が揺らぐのを心配する声もある。日本にナガスクジラを輸出しているアイスランド側は、日本の与党議員が訪問した際に「鯨肉貿易に変化がないことを望む」との意向を示したという。

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