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インドネシア、首都移転に向け課題山積

 インドネシアのジョコ大統領は、首都をジャカルタからジャワ島外に移転する計画を発表した。同計画は、4月29日に閣議決定されているが、実際の移転には5~10年を要するとされる。

 ジョコ大統領が首都移転に踏み切った背景には、ジャカルタにおける人口増加・集中がある。人口の集中度が高いことで知られる東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の首都の中でも、ジャカルタ首都圏の人口は最も多く、人口密度はマニラ首都圏に次ぐ水準となっている。

 ジャカルタでは、今年3月に初めて地下鉄が開通したが、交通インフラの整備は遅れており、交通渋滞が常態化している。また、地下水の過剰揚水が地盤沈下をもたらすなど、人口集中による社会問題は深刻となっている。政府は、首都移転により、こうした影響を緩和するとともに、国内の経済格差を和らげることを狙っている。

 ただし、首都移転計画は、実現に向けた課題が山積しており、移転先の候補地も確定していない。例えば、移転先の候補であるボルネオ島のパランカラヤは地盤が弱く、都市開発に適さないとされる。また、首都移転は巨額の財政支出を伴う。インドネシアでは、財政赤字に対国内総生産(GDP)比3%の法定上限が存在するが、課税申告漏れが多いことによる税収不足や、インフラ投資の拡大などを背景に、財政赤字は2%台後半で推移している。

 首都移転の実現に向けて、政府が必要な財源をどのように捻出するかが焦点となる。(編集協力=日本政策投資銀行)

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