海外情勢

通信衛星で高速ネットを提供 米欧企業が参入計画、宇宙ごみ対策が課題

 人工衛星を使い高速インターネットサービスを世界規模で提供する計画を米欧企業が相次ぎ打ち出している。衛星を低い軌道に打ち上げ、従来より高速の通信を可能にする。通信インフラが未整備の途上国でもネット普及が期待されるが、採算性や「宇宙ごみ」の課題を指摘する声もある。

 国際電気通信連合(ITU)の推計によると、昨年末時点で世界人口の51%相当の39億人がネットを使用。趙厚麟事務総局長は「まだ多くの人がデジタル経済の便益享受を待っている」とする。

 4月に計画が明らかになった米アマゾン・コム。ロイター通信によると、3000以上の低軌道衛星を打ち上げ、世界中で高速ネットを提供する。担当者は共同通信の取材に、構想に共感する企業の参加を呼び掛ける考えを示した。

 アマゾンに先行するのは、米起業家・イーロン・マスク氏が創業したスペースX。米連邦通信委員会(FCC)から1万以上の通信衛星でネットサービスを世界で提供する計画の認可を得た。米フロリダ州で今月23日、第1弾となる60個の衛星を打ち上げた。

 欧州航空機大手エアバスやソフトバンクグループが出資し英米に拠点を置くワンウェブは2月、6つの衛星の打ち上げに成功。650以上の衛星を活用し、2021年までに世界で高速ネットを提供する計画だ。

 ただコストは高く、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版はスペースXの計画が採算面で実現可能性に疑問が生じていると伝えた。米クリーブランド州立大学ロースクールのサンダール教授は「最大の懸念は衛星の衝突事故や運用を終えた衛星による宇宙ごみだろう」と指摘している。(ニューヨーク 共同)

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