海外情勢

関税圧力、危うい自己目的化 トランプ氏自賛も霞む通商協定 (1/2ページ)

 トランプ米大統領はかつて自身を「タリフ(関税)マン」と呼んだことがあるほど、関税政策がとても気に入っている。大統領はまた、中国をはじめとする各国からの輸入品に対する制裁関税について、交渉を有利に進める切り札となり、米国に利益となる新たな通商協定に各国を引き込む手段だと繰り返し主張してきた。

 しかし、トランプ政権による関税は、手段というよりそれ自体が最終目標であるかのような様相を呈しつつあり、大統領が約束したいかなる通商協定よりも存在感が濃くなっているように見受けられる。そして、それが米経済および世界経済にとって良くない兆候であるとの見方で、エコノミストは一致する。

 中国製品2000億ドル(約22兆円)相当への追加関税を引き上げ、さらに中国からの輸入品ほぼ全てを関税引き上げの対象とする計画策定を命じることで、トランプ大統領は過去数十年間、目にすることのなかったような規模で輸入関税を導入することになる。比較対象として19世紀まで遡(さかのぼ)ってみるエコノミストもいる。

 トランプ大統領は最近のツイートや公の発言で、米国による関税が米経済の成長を促したと繰り返し自賛し、それを負担するのは中国など諸外国だと重ねて主張。ただ、こうした見解は大統領の経済顧問でさえ擁護するのは容易ではないようだ。

 「彼の観点から見れば、真のディールとは米国を食い物にしてきた諸外国に立ち向かうことだ。それは関税賦課を意味する」と、ピーターソン国際経済研究所のゲーリー・ハフバウアー氏はトランプ大統領について語った。

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