海外情勢

HIV予防薬、米で普及停滞 高額設定に批判 ギリアドは反発 (1/2ページ)

 2012年、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「ツルバダ」が初のエイズウイルス(HIV)感染予防薬として米国で承認された。政府の資金援助の下で実施された長年の研究の成果だった。

 だがそれから7年がたった今、米国におけるHIV感染予防の動きは勢いを失っている。暴露前予防投薬(PrEP)と呼ばれる予防療法でツルバダを手にできているのは、ごく一部の人に限られているのが現状だ。

価格は年2万1000ドル

 エイズ活動家や一部の医師は、ギリアドが設定している年間2万1000ドル(約230万円)というツルバダの価格が普及の妨げになっているとして批判を強めている。米政府は米疾病対策センター(CDC)が保有する特許を活用してギリアドにロイヤルティー(特許使用料)支払いを求めるなどし、価格を引き下げるべきだと、活動家らは指摘する。

 ツルバダの価格をめぐるこうした批判を受け、米下院の監視・政府改革委員会は16日、ギリアドのオデイ最高経営責任者(CEO)を招き公聴会を開催した。

 神経科医で、PrEPの普及を目指す活動家団体「プレップフォーオール・コラボレーション」の共同創業者、アーロン・ロード氏は、ギリアドによる高い価格設定が原因で普及が滞っていると指摘。ツルバダが承認されて以降も、HIV感染率はほとんど変わっていないと述べた。「ツルバダの価格を1カ月当たり15ドルに引き下げるべきだ」と述べた。同団体は、ツルバダの価格をめぐりトランプ政権に嘆願書を提出している。

 これに対しオデイCEOは、ツルバダがより広く普及するよう努めていると説明。無保険の人には医薬品を無料で提供しているほか、保険加入者でも自己負担分を支払えない人に補助金を出していると述べた。ギリアドのツルバダ開発費は11億ドル。同薬は、HIVの治療薬としては04年に承認された。

 オデイCEOは公聴会で「ツルバダを開発したのはギリアドだ。他の誰でもない」とし、CDCの特許は無効だと主張した。

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