視点

日本郵政、制度設計の妥当性検証を 民営化へ外枠完了も先行き不透明 (1/3ページ)

 政府が今秋にも日本郵政株の追加売却をすることを決めた。これによって政府の保有比率は郵政民営化法が定める下限の「3分の1超」まで低下する見通しだ。郵政民営化の外枠が完了することになるが、日本郵政は、いまだ成長戦略を描けないままで、先行きには不透明感が漂う。(産経新聞編集委員・福島徳)

 政府による日本郵政株の売り出しは2015年の株式上場時と17年にの第2次売却に次ぎ、3回目だ。過去2回の売却額はそれぞれ約1兆4000億円で、合わせて約2兆8000億円。政府は日本郵政株の売却益を東日本大震災の復興財源に充てることにしており、その額は4兆円。今回の売却で残りの約1兆2000億円の調達を目指す。

 政府の保有比率は現在、約57%で、今回の売却を経て3分の1超にまで低下する見通しだ。これで法律上、日本郵政(持ち株会社)の民営化は完了することになる。

 一方、同法では日本郵政が保有するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険(金融2社)の株式売却も規定している。当該条文は、政治的妥協の産物として曖昧な表現となっているが、現状では「いずれ全株式を処分する」との認識が支配的だ。

 ただ、日本郵政はグループ全体の利益の大半を金融2社が稼いでいる。日本郵政の19年3月期連結決算では、超低金利による利息収入の低下や株価下落などで金融2社がともに経常減益だった。一方、日本郵政の完全子会社である日本郵便は、宅配便「ゆうパック」の取扱数量の増加や年賀はがきの値上げなどが寄与して前期比で2倍以上の増益だった。

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