海外情勢

中国、ロケット海上発射に初成功 移動式の海上発射台を使用

中国新聞

 中国国家航天(宇宙)局は5日、衛星7基を搭載した運搬ロケット「長征11号」の黄海海上での打ち上げに同日初めて成功したと発表した。衛星7基は予定の軌道に入った。

 社会経済の発展でロケット打ち上げへのニーズが高まる一方、航行および残骸物落下エリアの安全性が課題として指摘されてきた。このため今回、移動式の海上発射台を使用。安全性確保のほか、異なる軌道への打ち上げなど、高効率な発射システムの構築に向けた道を開いた。

 長征11号を研究開発した中国運搬ロケット技術研究院が2016年以降、海洋工学関連企業と連携し、宇宙科学と海洋科学の融合を進めてきた。19年、運搬ロケットの海上発射技術試験が航天局の正式プロジェクトとして認可され、長征11号での実施が決まった。

 海上発射技術試験システムは運搬、海上発射プラットフォーム、制御通信、衛星の4システムで構成され、離岸後1週間以内に発射できる。

 長征11号は全長約21メートル、重さ58トン、離陸推力120トンで、500キログラムまでの積載物を太陽同期軌道に打ち上げられる。これまでに6回、地上からの発射が行われた。

 長征11号の責任者、李同玉氏は「今後も引き続き海上発射を行うことで、各種軌道への適応性を検証できる。発射工程の効率化、グローバル海域での発射能力の形成にもつながる」と述べた。(中国新聞社)

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