国内

機械受注 米中摩擦で5月以降は下押しも

 4月の機械受注統計は、船舶・電力を除く民需の受注額が3カ月連続のプラスとなり、基調判断も8カ月ぶりに引き上げられ、設備投資の底堅さを示した。だが、4月の受注実績を調査したもので、5月に入り米中貿易摩擦が再燃した影響は含まれていない。米中摩擦の激化を受けて企業が設備投資に慎重姿勢を強めている可能性もあり、5月以降は機械受注統計に下押し圧力がかかりかねない。

 船舶・電力を除く民需の受注額は、小幅マイナスを見込んでいた市場予想に反してプラス圏で着地。製造業が12カ月ぶりに2桁の伸びとなったことが大きい。

 ただ、米中摩擦が設備投資に影を落としそうだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の戸内修自(とのうち・しゅうじ)シニア・マーケットエコノミストは「5月に入って米中摩擦が再燃したことが、不確実性の高まりを通じて、企業の設備投資を抑制する要因となりうる点には注意が必要だ」との見方を示す。

 関連統計とされる5月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比27・3%減の1084億円で、8カ月連続のマイナスとなり、節目の1千億円割れが迫る。

 内閣府が今月10日発表した5月の景気ウオッチャー調査では「米中摩擦の影響で取引先の設備投資が延期され、当社装置の導入見送りが起きている」(中国地方の電気機械器具製造業)などの声があった。米中摩擦の先行きなど、状況を見極める局面が続きそうだ。(森田晶宏)

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