海外情勢

「有事の円買い」が機能しなくなっている 投資家はどこへ資金を向けるのか (1/3ページ)

 5月31日、アジアのトレーダーの朝はトランプ米大統領の予想外の動きで始まった。メキシコからの輸入品に関税を課す発表だ。これで明らかに起こると思われたのは円への資金殺到だった。

 日本以外の国・地域が不安定に見える際、円を買うのは古典的な取引だ。日本の経常黒字および米国債や海外不動産などの資産保有は、日本が海外から資金を借り入れる必要がないことを意味するためだ。世界の投資家は波乱の時には日本の銀行預金や日本国債で資金を持つのが安全と考えている。これが、円相場を押し上げる。また、ドル・円は世界で2番目に多く取引される通貨の組み合わせで、流動性が極めて高く、円を買うのは容易だ。

 しかし、この教科書通りの取引はかつてほどうまく機能しない。5月31日の取引は最初の30分間でS&P500種指数先物は1%下落したが、円は0.2%しか上昇しなかった。円が1.2%上昇したのは、中国から保護主義的な発言がいろいろ出てからだった。

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