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G20大阪で28日に開幕 最大の焦点は貿易 問われる日本の調整力

 日本が初の議長国を務める20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が28、29日に、大阪市で開かれる。米中貿易摩擦が世界経済に与えるリスクやデジタル経済への対応、地球環境問題など世界が直面する諸課題について議論する。2日目の閉幕時には首脳宣言が取りまとめられる予定で、日本としては世界の安定と成長につながる成果や強いメッセージを盛り込みたい考えだ。

 期間中は各国首脳が集まることから日米、日中をはじめ2国間での会談も多数予定されており、各国間の課題に進展がみられる可能性もある。世界中が注目する米中首脳会談は29日に行われる見通し。

 G20では(1)世界経済(2)イノベーション(3)格差・インフラ(4)気候変動-の4議題を話し合う。

 焦点は米中貿易摩擦に伴う世界経済のリスクに対し、首脳宣言でどういったメッセージが盛り込まれるかだ。昨年、アルゼンチンで開かれたG20サミットでは、それまでの首脳宣言にあった「反保護主義と闘う」という記載が削除された。米国の反発が予想され、今回も明記されない見通しとなっている。

 「イノベーション」ではプライバシー保護や知的財産権などに配慮しつつ、自由なデータのやりとりをするためのルールを話し合う枠組み「大阪トラック」の創設を目指す。「気候変動」では海洋汚染の原因として指摘されるプラスチックごみの削減に向けた対策などについて議論する。

 【G20】G20は、日本、米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアの主要7カ国(G7)に、中国、インドなど新興国を加えた20カ国・地域のことで、定期的に首脳らが集まり、世界経済の課題などを話し合う。

 以前はG7が集まって議論していたが、アジア通貨危機後の1999年、G20に拡大して財務相・中央銀行総裁会議をスタート。リーマン・ショック後の2008年には、首脳会議(サミット)が開かれるようになった。

 G20サミットは当初、首脳宣言で「反保護主義」を明確に打ち出していたが、17年1月にトランプ米政権が誕生すると次第に反保護主義姿勢を弱め、18年11月のアルゼンチン・ブエノスアイレスのサミットでは、首脳宣言から「反保護主義」の文言を削除した。

 議長国は今年は日本が、来年はサウジアラビアが務める。

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