海外情勢

バンコクで日系百貨店奮闘 値段10倍以上のイチゴも、高級路線で富裕層に狙い

 ショッピングモールや百貨店が林立するタイの首都バンコクで、日系の百貨店が奮闘している。伊勢丹や東急に加え、昨年11月に高島屋がオープン。日本で冬の時代とされる百貨店業界だが、経済成長を続けるタイで高級路線を取り、「日本の良い品」を求める富裕層に狙いを定める。

 開発が進むチャオプラヤ川岸の一角にある大型複合施設「アイコンサイアム」。平日の夕方、その中の「サイアム高島屋」では日本の食料品が売られ、帰宅途中の会社員らでにぎわっていた。「日本のイチゴは甘くて人気です」。女性販売員のダーラットさんは、2パックで2000バーツ(約7000円)の宮城県産「ミガキイチゴ」を指さした。スーパーで売られるイチゴの10倍以上の値段だが、この日は13箱が売れた。日本に3回行ったことがあり、「すしが大好き」な自営業の男性、タナパットさんは180バーツのサーモンのすしを買い求めた。

 サイアム高島屋は生鮮品購入者にドライアイスを提供し、開店前に客に茶を配るなどサービスに力を入れる。昨年3800万人超に達した外国人観光客もターゲットだ。

 1992年開店の伊勢丹は日本でも研修を行い、顧客との結び付きを重視する接客を実践。顧客は70%がタイ人で、25%が外国人観光客、5%が日本人。売り上げは堅調だが、地場百貨店などが集まる中心地にあり、担当者は「他店と違いを出すのが課題」と指摘する。

 タイ小売業協会のチャチャイ理事によると、小売市場は25年前の約5倍の3兆6000億バーツに。「所得向上で、かばんなどブランド品を買いたい人も増えた」という。

 近隣国のベトナムやラオスから買い物に来る人も多く、地場百貨店はカンボジアなどの超富裕層に向けた買い物ツアーを開催。タイは東南アジアのショッピングの中心地に成長している。

 地元記者は、食品や体に使うシャンプーなど、タイでは日本製品に「品質が良いイメージ」があると解説。チャチャイ氏は、日系百貨店が独自色を出すには「イベント好きなタイ人に合わせ、北海道フェアなど日本を前面に出した企画を頻繁に開催するのが良い」とみる。(バンコク 共同)

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