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短観で裏付けられた景気悪化 節約、増税、米中摩擦…身構える企業 (1/2ページ)

 日本銀行が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は2年9カ月ぶりの低水準で、景気悪化が改めて裏付けられた。企業からは消費税増税を3カ月後に控えた節約意識の高まりや、予断を許さない米中貿易摩擦の影響に身構える声が相次いでいる。

 「消費者の節約志向は依然として根強く、景気は重苦しい状態が続いている」

 日本チェーンストア協会の井上淳専務理事はこう漏らす。5月の全国スーパー売上高は、既存店ベースで前年同月比0・7%減と2カ月連続の前年割れだった。10連休に伴うレジャーなどにお金を回すため、日常の買い物を控える動きが広がった。10月の消費税増税で業績が一層悪化するのは避けられず、「追加経済対策で景気を下支えしてほしい」(井上氏)と要望も出ている。

 需要減退の動きは高額商品にも拡大。顕著なのは都市部のマンション市況だ。大手開発業者の担当者は、「米中摩擦で景気減速の懸念が強まり、購入意欲が後退した」と説明する。

 不動産経済研究所がまとめた5月の発売戸数は、首都圏が10・4%減の2206戸、近畿圏が6・2%減の1388戸といずれも5カ月連続で前年実績を下回った。特に首都圏では1~5月の発売戸数がバブル崩壊直後の平成4年以来の低水準となり、好況に沸いていた昨年から暗転した。

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