高論卓説

休戦となった米中貿易摩擦 中国への打撃既に大きく、減速鮮明に (1/2ページ)

 大阪で6月29日に行われた米中首脳会談は、通商協議の再開で合意し、米国が対中関税第4弾の発動を当面行わないと表明した。市場は「一時休戦」と受け止めたが、見逃している大きな問題が存在する。それは2500億ドル(約27兆円)相当にかかっている25%の米関税が中国に与える打撃の大きさだ。中国の製造業が受けている影響はかなりの規模とみられ、長期化すれば中国を起点にした世界経済の減速に、市場の目が集まることになるだろう。

 市場が無視した指標がある。財新/マークイットが1日に発表した6月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)だ。49.4と、拡大・縮小の分かれ目となる50を4カ月ぶりに割り込み、今年1月以来の低水準となった。

 また、6月14日に発表された5月の中国鉱工業生産は前年同月比5.0%増と約17年ぶりの低い伸びにとどまり、5月の中国貿易統計では、輸出が1.1%増とプラスを確保したものの、輸入は8.5%減と大きく落ち込み、内需の不振を明らかにしていた。

 弱いデータは耐久消費財の販売にも波及。5月の中国自動車販売は過去最大の前年同月比16.4%減という大きな落ち込みとなった。

 大阪での米中首脳会談で3250億ドル分の対中輸入品への25%関税の賦課は、「しばらくの間」(トランプ大統領)実行されないことになったが、第1弾から第3弾までの計2500億ドル分には25%の関税がかかり続ける。

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