国内

米の利下げ機運 日銀の対応策は限定的

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が月末の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆し、直前の29、30日に金融政策決定会合を開く日本銀行の対応が注目される。円高に備え政策方針の修正など予防的措置を取る可能性もあるが、数少ない追加緩和の手段は不況が本格化し対応を迫られる局面まで温存したいところだ。

 「早期の利下げは間違いない」-。11日の東京外国為替市場の円相場はそんな思惑から円買いドル売りが加速し、一時1ドル=107円台まで円高が進んだ。

 FRBが10年7カ月ぶりの利下げに踏み切れば日米の金利差が縮小し円買いは一層勢いづく。輸出関連企業に打撃が及ぶのを防ぐため日銀が決定会合で“牽制球”を投げるかが焦点だ。

 候補に挙がるのは超低金利政策を「少なくとも令和2(2020)年春ごろ」まで続けるとした政策指針を延長し、大規模緩和の長期化をアピールすること。ただ、新味に乏しく円高抑制効果も期待できない。

 既にマイナス0・1%まで下げた短期金利のマイナス幅拡大や、0%程度に誘導している長期金利の変動幅を上下0・2%程度から広げるといった緩和策も考えられる。しかし利ざや(貸出金利と預金金利の差)縮小で金融機関の業績悪化が加速するため、景気が悪化する前の段階では理解を得にくい。

 黒田東彦(はるひこ)総裁は8日の支店長会議で「2%の物価上昇に向けた勢いを維持するため必要な政策の調整を行う」と追加緩和を辞さない姿勢を改めて示したが、異次元緩和が7年目に入った日銀は手詰まりの状況だ。(田辺裕晶)

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