海外情勢

貿易不確実性、引き続き重し FRB議長が議会証言 月内利下げ観測強まる (1/2ページ)

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日、米下院金融委員会で証言し、中国との貿易戦争などのリスクを指摘したほか、力強い6月の雇用統計を受けても米金融当局の見通しに変わりはないとの認識を示した。今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利を約10年ぶりに引き下げるとの市場の観測が強まった。

 多くのデータ裏付け

 パウエル議長は6月のFOMC会合以降の米経済見通しにとって「貿易問題での緊張をめぐる不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている」と語った。また、「世界的に見て製造業や貿易、投資が弱い」との認識を裏付ける多くのデータが6月のFOMC以降、入ったと指摘。6月の非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回る力強さを示したことについて、「素晴らしいニュースだ」としながらも、インフレ率を押し上げるほど賃金が急ピッチに増加していないため、バランスが傾くほどではないと発言。インフレは依然として低過ぎるとの見解を示した。

 議会証言について、市場では今月30、31両日の次回FOMC会合での利下げの方向性を裏付けるものと受け止められた。トレーダーのコンセンサス予想は依然として0.25%の利下げだが、0.5%の利下げ観測も増加した。

 パウエル議長は0.5%の利下げの可能性をめぐる質問に、直接は答えなかった。議会証言の内容が伝わった後、S&P500種株価指数は一時、史上初の3000台に上昇。米国債相場は金価格とともに上昇し、ドルは下落した。

 トランプ大統領はパウエル議長に対し、金融政策を緩和するよう圧力を強めている。議長は証言で、最大限の雇用と物価安定の確保という連邦準備制度の2大責務とともに、その「独立性」に触れ、それには説明責任と透明性が必要だとの認識を示した。

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