海外情勢

印、月面探査機15日打ち上げ 次世代エネ源「ヘリウム3」に照準 (1/2ページ)

 インド宇宙研究機関(ISRO)は15日に月面探査機「チャンドラヤーン2号」を打ち上げる。9月6日に未探査の月の南極付近に着陸し、次世代エネルギー源として期待される核融合発電の燃料、ヘリウム3の探査を行う。月面着陸はこれまで旧ソ連、米国、中国が成功しており、インドが成功すれば4カ国目となる。

 資源開発への難関

 今回の月面探査はISROのこれまでのミッションの中で最も複雑だ。2つのモジュール、月周回機と着陸機、14日間以上、月面で探査を行う月面車が打ち上げロケットに搭載される。月面車は零下157度にもなる暗闇を探索する。

 インドは低コストで宇宙探査を行うことにかけては定評がある。インドの衛星打ち上げの商用サービスはコスト面で競争力が高く、引っ張りだこだ。今回の月面探査のコストは約8700万ドル(約95億円)とみられている。2019会計年度予算で約215億ドルを誇る米航空宇宙局(NASA)や年間宇宙開発費が約80億ドルの中国に比べ、つつましやかな規模だ。

 今回の月面探査の主な対象はヘリウムの同位元素であるヘリウム3。非放射性のため比較的安全で、危険な廃棄物を出さないとされる。

 地球では希少だが、月には大量に存在している可能性がある。ウィスコンシン大学マディソン校核融合技術研究所の所長で、元NASA諮問委員会のジェラルド・クルチンスキー氏によると、月には推定100万トンのヘリウム3が埋蔵されているという。これは、地球全体のエネルギー需要200~500年分に匹敵し、1トン当たり50億ドル、25万トンでは数兆ドルもの価値があるという。

 ただ、採掘と地球への運搬に当たってのロジスティックやヘリウム3をエネルギーに変える核融合設備の建築など多くの障壁がある。莫大(ばくだい)な費用もかかる。

 インド・ニューデリーを本拠地とするシンクタンク、オブザーバー研究財団のリディア・パウエル氏は「こうした障壁が乗り越えられれば、インドは月の資源開発に乗り出すべきだ。理にかなったコストであれば間違いなくゲームチェンジャーになる」と話す。

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