海外情勢

スプリント合併承認へ ディッシュが一部資産買収 米携帯4社維持 (1/2ページ)

 米衛星放送サービス大手ディッシュ・ネットワークは米携帯電話3位TモバイルUSと、ソフトバンクグループ傘下の同4位スプリントの一部の事業や無線周波数帯を50億ドル(約5400億円)で買収することで合意した。関係者が明らかにした。ディッシュは米国で5社目の大手携帯電話事業者になる。これにより、Tモバイルとスプリントの合併が実現しても、米司法省が条件に挙げていた携帯電話大手4社体制を維持できることになり、同省は25日にも265億ドル規模の両社の合併計画を承認する見通しだ。

 複数州提訴の壁残す

 関係者によると、数週間の交渉の末、ディッシュがプリペイド式携帯事業に約15億ドル、周波数帯に35億ドル前後を支払うことで合意が成立。合意条件によってディッシュは3年間にわたって資産や、契約の支配権を第三者に売却・譲渡することができないという。

 今回の合意の一環としてディッシュは7年間、Tモバイルの携帯サービスをディッシュブランドで販売できることになった。また、プリペイド顧客がディッシュに移行するのに伴って3年間、Tモバイルが運用をサポートする。

 この合意により、米司法省は25日にも合併計画を承認する可能性がある。関係者によると、Tモバイルはスプリントとの合併条件はディッシュへの資産売却で影響を受けないと改めて説明するとみられる。Tモバイルはスプリントとの合併により430億ドル程度が節減できるとしている。

 ブルームバーグがディッシュの資産取得を報じた後、スプリントの親会社であるソフトバンクグループの株価は一時、前日比3.2%上昇した。

 Tモバイル、スプリントと両社の親会社は1年余り前から合併計画の当局承認を目指して取り組んできた。米連邦通信委員会(FCC)のパイ委員長は5月に合併計画承認を勧告したが、携帯電話4社体制の維持を求める司法省からの承認獲得が難航していた。今回の取引が成立すれば、資産取得によりディッシュが米国で第4の携帯電話事業者となるため、同省からの承認に近づく。

 ただ、司法省の承認を得たとしても、合併実現に向けてのハードルはなお残る。スプリントとTモバイルの合併計画をめぐり、複数の州の司法長官が計画差し止めを求めて提訴しているためだ。司法長官らは両社の合併が競争を阻害し、料金の引き上げを招くと批判している。

 ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ジョナサン・チャプリン氏は、司法省がスプリントとTモバイルの合併計画を承認した際の市場の反応がワイヤレス業界の競争の激しさを表す指標になると話す。チャプリン氏は「司法省が計画を承認した日のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズの株価を見てみよう。両社の株価の動きは合併計画が消費者にメリットをもたらすかどうかを占うリトマス試験紙となる。もし、これらの企業の株価が下がれば、消費者にとって良い取引だということになるだろう」と話した。

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