海外情勢

撤退シェア自転車再び輝き ミャンマー農村で児童に配布

 シンガポールやマレーシアで規制により撤退したシェアリング自転車の車両が、ミャンマーの農村で活躍している。ミャンマーの非営利団体「レスウォーク」が6月末から、撤退企業の車両を同国農村の児童らに送る活動を始めた。シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズが伝えている。

 シンガポールとマレーシアには複数のシェアリング自転車運営企業が参入していたが、規制によりシンガポールのoBike(オーバイク)、中国発のofo(オッフォ)などが相次ぎ撤退した。使われなくなった自転車の車両に目を付けたのが、シンガポール留学経験のあるレスウォーク創業者、マイク・タン・トゥン・ウィン氏だった。

 マイク氏はシンガポールのシェア自転車運営会社、エニーホイールの協力を得て、倉庫運営者から車両1万台を買い取った。車体の色を塗り替え、サドルを子供用に交換し、鍵もオートロック式から手動式に変更した。

 車両の購入、出荷、改装にかかる費用は推定35万~40万米ドル(約3800万~4300万円)で、半分をエニーホイールなどシンガポール側が持ち、残りをレスウォークが負担した。

 ミャンマーに運ばれた自転車は、農村の13~16歳、2キロ以上の道のりを歩いて通学する児童・生徒に配布されている。自転車は順次、ミャンマーに運ばれ、年末までに全ての配布が完了する予定となっている。

 マイク氏は「ミャンマーの子供たちは1時間歩いて通学する例も少なくない。スクールバスもなく、スクールバスが何であるかさえ知らない。われわれが配布している自転車は無駄になろうとしていたものだが、ミャンマーの貧しい子供たちにとって便利な交通手段となる。(農村の子は)やらなければならないことも多い中、時間も節約できる」と話す。

 ofoやoBikeをはじめとするシェアリング自転車は世界各国に広がりをみせたものの、参入企業の増加に伴い競争が激化。投資家の資金が枯渇すると、多くの運営企業は持続可能なビジネスモデルを構築できず、撤退の動きが出るようになった。各市場では適切に管理されない車両が放置されるなども問題となり、企業撤収後は多くの車両が解体業者に運ばれていた。

 マイク氏は今後、ミャンマーにとどまらず、ラオスやカンボジアの農村児童らにも、シェアリング自転車で使われなくなった車両を送ることを計画している。(シンガポール支局)

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