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TPP発効半年、カナダ産牛肉輸入量93%増 関税下げ一因

 財務省は30日、6月の品目別の貿易統計を発表した。昨年末の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効後に当たる今年1~6月の牛肉輸入量は、発効国のカナダ産が前年同期比で93.5%増、ニュージーランド産が46.1%増、メキシコ産が26.3%増とそれぞれ伸びた。なじみの深いオーストラリアと米国以外の国のシェア拡大が目立った。輸入関税の引き下げが一因になったとみられる。

 全世界からの輸入量は4.2%増の29万3000トン。全輸入量の半数近くを占めるオーストラリア産は5.3%減で、TPP発効国でも違いが出た。中国がオーストラリアからの輸入を増やしたことが影響したもようで、シェアを落とした。TPP発効国のうち輸入実績がある4カ国からの合計は、オーストラリアの減少が響いて3.0%増にとどまった。

 TPPを離脱し、関税面でライバルに不利な状況にある米国産は5.3%増となった。外食産業で需要が伸びたとみられる。シェアは39.8%で、ほぼ変わらなかった。

 全輸入量に占めるカナダのシェアは3.2%から5.9%、ニュージーランドは2.5%から3.4%に上昇した。業界関係者は「関税が下がったカナダ産などを試してみようとする動きが影響した」とみる。

 TPPは昨年12月30日に発効し、今年4月に2年目に入った。カナダとニュージーランドの冷凍牛肉は、38.5%だった関税が1年目に26.9%、2年目に26.6%に下がった。

 一方、1~6月の全世界からの豚肉輸入量は3.0%増の47万1000トン。カナダ、メキシコを中心にTPP発効国からは6.6%増となり、全世界からの伸び率を上回った。米国からは2.9%減だった。

 カナダ産の豚肉は、高価格帯にかかっている関税が4.3%から発効1年目に2.2%、2年目に1.9%に下がった。

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