海外情勢

EV電池、欧州が一体となって逆襲 アジア勢へ対抗、環境対応も急務 (2/3ページ)

 こうした中、EUでは域内の電池産業育成に向けた動きが活発化している。フランスとドイツの両政府は2月、両国に電池工場を建設するために約20億ユーロの補助金を出す構想を打ち出した。シェフチョビッチ氏によると、この構想は10月までに欧州委に承認される可能性がある。

 さらに、5月には欧州投資銀行が巨大電池工場の建設を計画するスウェーデンのリチウムイオン電池メーカー、ノースボルトに3億5000万ユーロを融資することで基本合意したと発表。また、欧州委は同月、米マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏率いるベンチャーキャピタル(VC)ファンド「ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ(BEV)」などとともに、電池部門を含むクリーンエネルギーへの投資を支援するための1億ユーロの基金を設立した。

 EUの域内生産能力の増強に向けたプロジェクトはこれまでのところ奏功している。BNEFの試算では、こうした取り組みにより、25年までにEUのリチウムイオン電池の生産能力のシェアは11%に上昇し、米国の生産能力に匹敵する見通しだ。

 欧州委によると、現時点で少なくとも1000億ユーロが域内の電池工場や部品メーカーに投資されており、25年までに欧州の電池市場が年間2500億ユーロ規模になると見通している。

 BNEFのエネルギーストレージ担当アナリスト、ジェームズ・フリス氏は「1~2年前は、欧州はEV電池分野で完全に出遅れてしまったというのが共通の見解だった。しかし、注力のかいあって現在、欧州は同分野で強固な地位を確立している」との見方を示した。

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