海外情勢

NASA、夢を託すVR 有人探査の予算確保へ 疑似体験で魅力訴え (2/2ページ)

 フェリックス&ポールスタジオの共同創業者であるフェリックス・ラジュネス氏は「観客はVRを通じ、まるで現実にISSの乗組員になったかのように宇宙空間を体験できる。地球の何百万人を宇宙探査に直感的につなげるこの手段は非常にリアルだ。最終的に宇宙探査計画に観客を強く引き付けることができるだろう」と力を込めた。

 米国民過半が前向き

 こうした取り組みに追い風となっているのが、アポロ11号の月面着陸50周年を伝える報道などで、国民の関心が再び宇宙に向き始めたことだ。世論調査会社ギャラップが7月に実施した最新調査によると、米国民の半数以上が「NASAの宇宙計画への出資は妥当だ」と答えた。また、「火星への有人ミッション」への支持も調査開始以来初めて50%を上回った。

 現在、ISS内にはフェリックス&ポールが独自にカスタマイズした9個のレンズを搭載したVRカメラが設置され、ISSで働くクルーの生活や行動を撮影している。360度全方位を撮影できるこのVRカメラでは、クルーが研究や訓練を行う映像を収める。既にスペースXによって打ち上げられた最新の補給船のミッションを捉えており、今後はクルーの宇宙遊泳を撮影する計画もある。

 カナダ出身の元宇宙飛行士でNASAの元職員でもあるデイブ・ウイリアムズ氏は「ISSでの生活は将来の宇宙探査のイメージをつかむ参考になる。私たちは過去18~19年間、クルーを恒久的に宇宙に滞在させてきた。もし月に再び人を送ったり、月の周囲を回る宇宙ステーションを建設したりする計画について考えるとき、(ISSと)同様のモデルになるだろう」と話した。

 ISSエクスペリエンスは「オキュラス」などのVRプラットフォームだけでなく、スマートフォンやヘッドセットを通してデジタル画像を投影できる「拡張現実(AR)」で視聴可能となる。また、今回ISSで撮影された映像は博物館の展示やアプリなどでも活用される見通しだ。タイム誌のビデオ部門の世界責任者であるジョナサン・ウッズ氏は「インスタグラムでの私たちのプロジェクトのフォロワーは760万人に達している。私たちがこのプロジェクトを推進できるという認識は、直接的な利益をもたらすだろう」と話した。(ブルームバーグ Sandrine Rastello)

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