海外情勢

アジア航空各社、座席間隔を縮小で乗客詰め込みへ 快適さより価格重視 (1/2ページ)

 アジアの航空各社は急増する中間層の乗客が快適さより価格を重視する傾向にあることから、座席間隔を可能な限り狭くして乗客を最大限詰め込む戦略をとっている。

 最大座席数を拡大

 フィリピン最大の格安航空会社(LCC)、セブパシフィック航空を運営するセブ航空は6月、発注した欧州エアバスの旅客機A330neoの座席数を、現在の同型機の最大座席数から20席多い460席とする計画を発表した。

 エアバスは同型機を「ファースト、ビジネス、エコノミークラスがある一般的な座席配置で260~300人分に設計している。座席数が多い場合は440席」としている。セブ航空は認可を待って460席配置する。前後座席間隔は約76センチになる。

 同社のマイケル・スゥーチ最高経営顧問は「快適なフライトを楽しんでもらうことが第一だが、乗客が常に気にかけているのは航空料金だ」と述べた。

 セブパシフィック航空のマニラ発中国・上海行きの片道料金は100ドル(約1万600円)かからないケースもある。ただエアバスが快適な座席の幅は最低約46センチとしていた所を約42センチに狭めた。

 航空関連コンサルタント会社、ランドラム&ブラウンによると、人気の高い路線で乗客を最大限に詰め込む傾向はアジアの航空業界で急速に広がっており、この先10年は続くと見る。乗客にはうれしくないものの、米国航空業界の近年の経営改善にはこうした戦略が寄与してきた。毎年1億人が生まれて初めて飛行機に乗るアジアでは、既に基本的で欠かせない戦略になっている。

 アジアでは航空需要が急拡大し、パイロットから整備士、空港、滑走路まで全てが不足している。空港の発着枠も既にいっぱいで、航空会社も新たな機材や発着枠の購入は極力避けたいところだ。

 大型機の購入も急拡大する需要対策の一つであり、マレーシアのLCC大手、エアアジアは6月、数百機の発注済み機種について、50人多く搭乗でき、航続距離が1000キロ長い大型機モデルに変更したと発表した。

 もう一つの対策は単純に多くの座席を設置することだ。アイルランドのLCC、ライアンエアーは2014年、米ボーイングに標準的な737型機より座席数が8つ多いモデルを発注した。一時は快適な航空会社の代表だった香港のキャセイパシフィック航空も17年、ボーイング777-300のエコノミークラスの座席幅を約2.5センチ狭めて各列に1席追加する計画を発表した。

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