経済インサイド

参院選“惨敗”の日本医師会、社会保障改革に影響も (2/2ページ)

 「羽生田先生は現職で2回目の選挙に臨んだが、2回目ということで、やはりわれわれの気持ちの中にも、また会員の先生方にも気の緩みもあり、厳しい状況であることを徹底することが大変だった」

 日医の横倉義武会長は、参院選の投開票日から3日後の7月24日に記者会見し、組織内候補の“惨敗”の一因を「気の緩み」と指摘。さらに、自民党比例代表で社会保障系候補が10人も立候補し、総得票数は120万票を超えたものの、個別の候補には票が分散してしまい、日本歯科医師連盟推薦の新人で前衆院議員の比嘉奈津美氏ら6人が落選したとの見方も示した。横倉氏の地元で一定の得票が期待できた九州地方が投票日当日に大雨に見舞われたことも影響したという。

 この結果、秋からの社会保障改革の議論では、参院選で地位が低下した日医が矢面に立たされるのは必至とみられている。特に来年4月に予定されている診療報酬改定で、医師らの技術料や人件費にあたる本体部分がマイナス改定となる可能性が指摘される。診療報酬は本体部分と薬価部分で構成されており、ここ最近の改定では薬価を大きく引き下げて本体部分のプラス財源を捻出してきたが、「今回は例年ほど薬価財源を期待できなくなった」(閣僚経験者)との見方も出ている。

 7月24日の記者会見で横倉氏は、日医の発言力低下を食い止めるため「今後の医師会の医政活動のあり方を抜本的に見直さなければならない」と表明。若手医師や地方議会への働きかけを強化するとともに、他の業界団体との連携強化も打ち出した。

 永田町界隈では、早ければ年末の衆院解散・総選挙もささやかれており、業界団体の巻き返しは少なからず政局に影響しそうだ。(桑原雄尚)

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