海外情勢

干魃や熱波、農作物被害甚大 アジア太平洋地域で異常気象

 アジア太平洋地域が異常気象に見舞われ、世界供給のほとんどを担うパーム油や天然ゴム、コメ、砂糖などの原料となる農作物への被害が広がっている。

 国内備蓄も減少

 農業関連の米気象学者、ドナルド・キーニー氏は、アジア太平洋地域はここ数年、極度な乾燥状態が続き、今年後半から来年にかけて主要農産物の収穫が減少すると予測する。

 中国気象局によると、中国北部は干魃(かんばつ)の影響があるものの、灌漑(かんがい)により影響は軽減している。南部は7月初旬まで5週にわたり1961年以来の豪雨に見舞われ、早場米の収穫に影響が出ている。このほか、害虫被害も広がっている。

 砂糖生産量でブラジルと世界首位を争うインドは、過去3年で最低の収穫量に落ち込みそうだ。干魃が長引き、中部マハラシュトラ州や南部カルナタカ州でサトウキビの生育が遅れ、砂糖の国内備蓄の減少に加え、輸出も減る可能性がある。モンスーンによる降雨量が少なかったことで食用油の原料となる油糧種子の収穫にも影響が出そうだ。インドはパーム油を含む食用油の最大輸入国であり、さらに輸入量が増える可能性がある。

 プランテーションのコンサルティング会社、ガンリンのリン・A・H・ホン所長によると、パーム油で世界最大の生産量を誇るインドネシアとマレーシアでは今後3カ月の状況が作況に影響するとし、特にボルネオ島の水不足を注視しているという。

 インドネシアのジャワ島では60日以上雨が降っていない地域があり、コメ生産への影響が懸念される。

 収穫・出荷量下方修正

 ゴム生産が世界トップで、砂糖、コメの一大輸出国であるタイでは、ここ数年で干魃が最も深刻な地域で農作物に被害が出ている。これを受け、当局はサトウキビ収穫量とコメ出荷量の予測を下方修正した。

 ベトナムの一部では熱波と干魃によりコメとゴムの生産に被害が及んでいる。ただコーヒー豆のカネフォラ種の世界最大の産地の同国は、コーヒー栽培が集中する中央高地に深刻な影響は出ていない。

 オーストラリア東海岸の広い地域では干魃の影響が2年以上続いている。同国の水不足は最大の牛肉生産地クイーンズランド州が最も深刻なほか、ニューサウスウェールズ州の大部分にも水不足が広がっている。

 西オーストラリア州は降雨に恵まれ、豊作だった昨年と同様の小麦の収穫が見込まれている。オーストラリア・コモンウェルス銀行のストラテジスト、トービン・ゴーリー氏は、それでも次の収穫後に小麦輸入を増やす可能性が高いと指摘する。(ブルームバーグ Siraphob、Thanthong-Knight)

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