安倍政権考

厚労省から人材引き抜き 「チームジャパン」で準備着々、農業輸出拡大へ (1/3ページ)

 農水産物の輸出拡大に向け、政府が環境整備を進めている。複数の省庁にまたがる国内での輸出手続きを一元化し、輸出戦略の「司令塔」を作るため、7月26日には農林水産省内に特別チームを発足させた。政府は同省に司令塔を置く方針だが、課題は、生産の現場に近い同省が、輸出時に食品衛生管理の審査を厳格に行えるかどうか。かつてはBSE(牛海綿状脳症)問題で失敗した経験もあるだけに、今回は、厚生労働省から食品衛生管理のエキスパートを引き抜き、万全の態勢を整えようとしている。

 司令塔の準備加速

 農水省が立ち上げたのは、輸出拡大の司令塔設立に向けた新組織「輸出対策強化特別チーム」。農水省は今回、各国の輸出規制をクリアするための条件交渉などを手掛ける職員を20人増やした。強化チームは増員分を中心に、現時点で約30人規模の体制をとる。

 昨年の農水産物・食品の輸出額は9068億円と前年比12.8%増となり、年間輸出額「1兆円」という政府目標に手が届きそうになっている。

 しかし、さらなる拡大に向けて課題となっていたのは、各国の輸入規制を緩和するよう国際交渉するのは農水省▽輸出する際に各国の食品衛生基準を満たしているか審査するのは主に厚労省-などと業務が分かれ、国として統一的な輸出戦略を描けないことにあった。

 政府は6月、関係閣僚会議(議長・菅義偉官房長官)を開き、輸出拡大に向けた司令塔組織を作り、バラバラだった業務を農水省に一元化する方針を決めた。

 例えば、欧米向けに牛肉などを輸出する際に必要となる食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の審査は現在、厚労省が実施しているが、来春には農水省に移管される。

 今回、農水省に特別チームを置くことで省庁間のやりとりを加速し、司令塔への移行に備えて準備を進める考えだ。政府は早期の司令塔設置を目指し、早ければ今秋に予定する臨時国会に新法を提出する構えだ。

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