海外情勢

英首相側に早期総選挙機運 強硬離脱に道、議会勢力伸張の可能性

 英国で早期総選挙への機運が高まっている。ジョンソン英首相のスタッフは、早期総選挙が既成の事実になったかのように話す。13日には与党・保守党の政治家が「2019年総選挙」の戦略案に関する電子メールを誤って公表してしまったほど思惑は膨らんでいる。しかし、どのようにして早期総選挙に至るかは依然、判然としない。

 早期総選挙を求める論拠は明確だ。議会で過半数を制する与党勢力は野党をわずか1議席上回っているにすぎず、ジョンソン首相は議論の分かれる法案を成立させることが全くできない。10月31日の期限で合意なき欧州連合(EU)離脱も辞さない首相の計画を阻止しようとする議員の動きもみられ、過半数が支持するEU離脱の形態がそもそもあるのかも不明だ。ハモンド前財務相は14日のBBCラジオとのインタビューで、他の閣僚経験者と協力して合意なき離脱の阻止を試みると表明。合意なき離脱は16年の国民投票の「裏切り」だとし、「議会が発言権を発揮できる手段を持っていると、強く確信している」と述べた。

 総選挙実施に踏み切れば、このもくろみをくじくことができる。議員は議員の地位を失い選挙戦に突入せざるを得なくなり、ジョンソン首相は選挙後に過半数を確保できる可能性もある。

 首相は14日、フェイスブックのライブ放送で選挙を計画しているかとの問いに対し、「英国市民は既に多くの選挙をしてきたと思う。市民の政治家に対する望みは仕事に取り掛かり、10月31日にEU離脱を実現させることだ」と述べ、明確な回答を避けた。

 いずれにしろ、早期総選挙は首相の一存では決められない。11年の議会任期固定法の下、早期総選挙の実施は議員の3分の2が支持するか、内閣不信任投票が可決した場合に限られる。関係者によると、最大野党・労働党は10月31日以前の選挙実施が提案されるなら賛成する見込み。それ以降の日程なら支持はEU離脱延期に首相が同意することを条件にするという。(ブルームバーグ Robert Hutton)

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