海外情勢

米中首脳、妥協の余地狭まる 強硬派が発言力 判断ミス誘発も (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席が2017年にトランプ米大統領と最初に会談した際、習主席は「米中関係を成功させる何千もの理由があり、関係を損ねる理由は一つもない」と語った。

 それから2年が経過し、両国関係は過去数十年で最悪の状態にあり、日ごとに悪化しつつあるようだ。トランプ大統領が1日、中国からの輸入品ほぼ全てを追加関税の対象にする方針を示したことで、両首脳がわずか数週間前に合意した貿易戦争の休戦は破られ、米中間の一段と広範な地政学的対立をエスカレートさせかねないような通商・通貨政策による報復合戦を引き起こした。

 再選追い風もくろむ

 この問題の大きな部分は、両首脳とも相手側が取引に真剣でないと見ていることだ。中国側はトランプ大統領が20年米大統領選を控えて駆け引きしていると見なしている。

 一方、米当局者は習主席について、米政権交代まで待って中国にもっと有利な取引をするつもりなのだろうと考えている。いずれにせよ、強硬派が発言力を強め、投資家が経済的影響を見極めようとする中で、妥協のための政治的な余地は狭まりつつある。

 米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めた経歴を持ち、現在はジョージタウン大学シニアフェローのデニス・ワイルダー氏は、「最悪の事態といえそうな状況を目にしている」と分析。「米中双方ともいちかばちかの対立で非常に多くを失いかねない」と指摘した。

 トランプ大統領にとっては、対中強硬姿勢を取ることが再選に追い風となるとの計算が働く。トランプ政権は台頭する中国に過去数十年で最も断固たる姿勢で臨んでいると自画自賛し、民主党の大統領候補の大半も政権の関税政策に異議を唱えつつも、中国に対し強気の態度を維持する必要性では一致している。

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