国内

日韓外相会談は平行線 日本側「粛々と」 局長級政策対話も見通せず

 河野太郎外相と韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相による21日の会談は平行線に終わり、政府や与党内には対韓輸出管理の厳格化などを粛々と進めていくとの考えが広がった。世耕弘成経済産業相は産経新聞のインタビューで「韓国側が事前に約束した通りに対外的に発信するなら」と前置きしたうえで、局長級の政策対話を開く用意があることを明らかにしたが、実現は見通せない。

 河野氏は会談後、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じたいわゆる徴用工問題に関し「最大の懸案であるという認識は共有できている」と述べたが「相当以前から共有している」とも語った。「お互いの立場を明確にした上で」とも前置きし、韓国側に歩み寄りはなかったことをにじませた。

 輸出管理厳格化をめぐっては「当局間の話し合いに任せたい」と述べた。

 実務を担う世耕氏は、7月中旬の日韓担当者による会合をめぐり、韓国側が会合後に事実と異なる説明をしたことを問題視している。世耕氏は説明の修正を求めているが、韓国側から前向きな反応はない。

 逆に康氏は会談で、東京電力福島第1原子力発電所の汚染水に関する情報共有を求めた。韓国政府が21日に、日本産の一部の加工食品や農産物などの放射性物質の検査の強化を発表するなど、韓国側は放射性物質にからめて宣伝戦を強めつつある。これでは関係改善は容易ではない。

 自民党幹部は「ボールは韓国にあり、こちらは粛々とやっていく」と突き放すように語った。

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