株価・外為

東京株急落 米中に翻弄 「2万円割れ」も

 米中の対立が金融市場を支配する力は当面、弱まりそうもない。特に東京株式市場は外国人投資家の売り越しが続き、東京証券取引所1部の売買代金は活況の目安となる2兆円を割り込む日が目立ち、外部要因に振り回されやすくなっている。

 9月以降も、さまざまな政治・経済日程が金融市場を待ち受ける。年内は米中双方の制裁関税引き上げが段階的に予定されているほか、10月末には英国の欧州連合(EU)離脱の期限が迫る。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の金融政策の動向も気がかりだ。

 ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「米中の対立激化で世界的な景気腰折れ懸念が強まっている。東京株式市場はリスクに取り囲まれた四面楚歌(そか)の状態だ」と指摘する。

 米中の関係が悪化すれば、投資家が一段とリスク回避姿勢を強めることも考えられる。井出氏は円相場が1ドル=100円に向かって円高が進み、日経平均株価が2万円を割り込む展開もあると予想する。

 インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストが注目するのは、中国の人民元相場だ。「元の切り下げによって、新興国経済の減速懸念が強まり市場が混乱した2015年8月の記憶を呼び起こすような相場だ。元安が進めば、米中の緊張はさらに高まりかねない。中国当局がどのような政策対応を取るか注視したい」と話す。

 国内を見渡すと、10月1日に消費税率10%への引き上げが控える。市場では「増税の影響を見極めるまで、海外の機関投資家は本格的に日本市場に戻ってこないだろう」との見方も出ている。

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