海外情勢

ロヒンギャの帰還、依然進まず ミャンマー「万全の準備」主張 (1/2ページ)

 ミャンマー軍の迫害から逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャ難民の帰還がまた失敗した。政府は「万全の準備」(国営紙)を整えていたとし、帰らない難民に責任を転嫁した形だ。70万人以上が避難するきっかけになった軍と武装勢力の戦闘から2年が過ぎた。国際社会の思惑も絡み合い、問題解決の糸口はいまだに見えない。

 「バスやトラックを準備していた。帰ってほしい」。バングラデシュ政府当局者が8月22日、南東部コックスバザールの難民キャンプで無念さをにじませた。

 難民は(1)国籍付与(2)身の安全の保証(3)帰国後の移動の自由-を求めている。しかし満たされる可能性は低く、帰還しても「またキャンプに戻ってくる」(同当局者)との見方が支配的だ。

 ミャンマーでは、多数派の仏教徒の間でロヒンギャへの差別感情が根強い。欧米などは厳しく批判するが、帰還は多くの国民に歓迎されない。来年総選挙を控え、政府は抜本策を打ち出せないのが実情だ。

 今回の帰還予定は約3500人にとどまっていた。実現すれば対外的なアピールが可能で、国内向けには一部だけの受け入れだと弁解できた。政府にとっては最善策だったが、帰還希望者は現れなかった。

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