海外情勢

アメリカ金融当局は大統領を拒め 前NY連銀総裁、貿易戦争で問責促す (1/3ページ)

 トランプ米大統領が中国に仕掛けた貿易戦争は、企業と消費者の信頼感を損ない続け、景気見通しを悪化させている。現在進行中の人災は米金融政策当局にジレンマを与えた。景気刺激措置を講じることによって被害を抑制すべきか、あるいはこのやり方に同調することを拒否すべきか。健全な経済を究極的に目指すのであれば、米当局は後者のアプローチを真剣に考えるべきだ。

 緩和で助長の恐れ

 米金融政策当局は通常、管轄外で起きた事象には関与せず、物価の安定と最大限の雇用という責務追求のために必要な調整を行う。金融政策上の行動が他の分野、例えば政府支出や貿易政策などの決定にどう影響するのかについては、ほとんど重視しないものだ。例えば、財政投入による刺激措置を議会に促す目的で利下げを控えたりはしない。

 このように米金融政策当局は政治から距離を置くことによって、独立性を維持しやすくなっている。従って、一般的な通念としては、トランプ氏の対中貿易戦争が米経済の見通しを悪化させれば、米当局はそれに応じて金融政策を調整すべきだ。この場合は利下げということになる。しかし、米当局の金融緩和が貿易戦争をさらにエスカレートさせ、景気後退(リセッション)のリスクを高める方向に大統領を促すのなら、話は違ってくる。その場合、打撃を和らげようとする当局の努力は無駄になるだけでなく、事態を悪化させる可能性さえある。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus