海外情勢

中国か台湾か、揺れるソロモン 太平洋諸国の「断交ドミノ」懸念 (2/2ページ)

 したたかな戦略

 現在、台湾と外交関係があるのは世界で17カ国。うち太平洋の島国6カ国ではソロモンの人口が最も多い。米政府はソロモンで加速する中国の浸透に神経をとがらせている。援助を検討する米調査団の現地入りが増えたほか、米国が大使館を設置する動きも出ている。

 外交筋は「中台をてんびんにかける間に日米やオーストラリアから援助を引き出そうとする戦略が垣間見える」とソガバレ氏のしたたかさを指摘する。

 野党幹部は「(中国の)大きなインフラ計画に目を奪われがちだが、返済の問題を忘れてはならない」と訴える。1998年に台湾と断交した近隣国トンガが中国からの重い債務負担に苦しむ「債務のわな」にはまる現状を例示しながら、慎重に結論を出すよう求めた。(ホニアラ 共同)

【用語解説】ソロモン諸島

 ニューギニア島東方の南太平洋に位置、1000近くの島と環礁から成る。台湾が外交関係を持つ太平洋の島国6カ国のうち人口は最大の約62万人で、首都はガダルカナル島のホニアラ。英国が1900年までに保護領化。日本軍が42年に占領したが、米軍の反攻で撤退した。76年に自治権を獲得、78年に独立し、英連邦に所属。住民はメラネシア系が大半で、主要産業は農業や漁業。木材や魚類、ココアなどを主な輸出産品とする。1人当たり国民総所得は1920ドル(約20万5000円)。(ホニアラ 共同)

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