国内

欧米の緩和挟撃で徐々に強まる円高圧力 日銀、追加緩和を検討

 欧米の中央銀行がそろって金融緩和の拡大にかじを切った。外国為替市場では円高圧力が強まると予想され、輸出企業の業績を圧迫しそうだ。米中貿易摩擦の激化で今年後半と期待された世界経済の回復も後ずれしており、日本銀行は景気の下支えに向け追加緩和の検討に入った。当面は市場の動向を注視する構えだが、早ければ18、19日の金融政策決定会合で政策修正に踏み切る可能性もある。

 各国の中央銀行はさながら「利下げドミノ」の状況だ。他国が利下げする中で金利を高く維持すれば、投資家のマネーが集中して通貨高を招き輸出に不利となる。7月末に米連邦準備制度理事会(FRB)が10年7カ月ぶりの利下げを実施したのを契機に、自国経済の失速を防ごうと世界中で緩和の波が拡大。欧州中央銀行(ECB)が同調したことで政策を維持する日銀の包囲網はさらに強まる。

 景気の先行き不安も重なって相対的に安全な資産とされる円を買う動きは強まり、8月下旬には一時1ドル=104円台まで円高が進んだ。現在は投資家心理の改善で108円近辺まで戻しているが、FRBが9月以降も追加利下げを継続する場合、日米の金利差縮小で円高が加速しかねない。

 日銀は既に、物価上昇の勢いが損なわれる恐れが高まれば躊(ちゅう)躇(ちょ)なく追加緩和すると表明している。焦点となるのが、民間銀行のお金を預かる際に年0・1%の手数料を取る「マイナス金利」の深掘り。ただ、低金利で収益力が悪化した銀行業界の反発が避けられず、経営改善に資する副作用対策も併せて検討している。

 足元では為替相場が円安方向に振れるなど金融市場は落ち着きを取り戻しており、追加緩和を急ぐ必要はないとの声も行内で根強い。10月1日の消費税増税後の経済情勢を踏まえ、経済・物価の先行きを四半期に1度点検する10月会合が一つのヤマ場になりそうだ。(田辺裕晶)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus