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ガンジス川の耐性菌、実態解明へ 深刻な水質汚染 健康への脅威に (1/2ページ)

 インド政府が、耐性菌による汚染が進むガンジス川で大がかりな調査研究に乗り出したそうだ。9300万ルピー(約1億4000万円)を投じ、ヒンズー教の「聖なる大河」全域約2500キロの汚染の実態を解明するという。

 耐性菌とは、抗生物質などに抵抗力を持った細菌のことだ。インド紙ヒンズー(電子版)によれば、調査研究は国内の研究機関や企業の研究者に委託された上で、2年間かけて行われ、耐性菌の可能性のある菌を調べ上げる。

 国家プロジェクト「クリーン・ガンジス川」の通達によれば、事業の目的は、大腸菌の出所に加え動物や人間の腸内にいるバクテリアの種類を特定し、ガンジス川の生活、産業排水による汚染の種類と耐性菌による人間の健康への脅威を示すことにある。

 ガンジス川といえば、インドの人たちの沐浴(もくよく)の場所としてよく知られている。特に12年に1度のヒンズー教の宗教行事「クンメラ」の際には、大量の人が押し寄せる。

 クンメラは、ガンジスの流れで罪を洗い流し、ヒンズー教の神の救いを得られると信じられている。2013年の行事の際は、特に12回に1度(144年に1度)の最大のクンメラ、「マハ・クンメラ」に当たり、初日の1月14日だけで、1100万人が沐浴したといわれている。

 ただし、経済成長の著しい新興国インドでは、河川の汚染が深刻だ。

 2年前にガンジス川流域の大都市コルカタで地元の人々の様子を取材した際、多くの貧しい人たちが汚染された川の水で食器や衣類を洗い、子供たちが川で泳いで遊ぶ姿を見た。一見、のどかな風景とはいえ、子供の頃から川のそばに住む男性は「10年ほど前から病気が増え出した」と語り、下痢や発熱、皮膚病、吐き気など体調不良を訴える人が子供を中心に何倍にもなったと話していた。

 耐性菌は、こうした健康被害の原因の一つとして恐れられている。

 ガンジス川で高濃度の耐性菌遺伝子が見つかったとの研究が発表されたのは14年のことである。このときは、英ニューカッスル大とインド工科大デリー校のチームが調査に当たった。

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