ビジネスアイコラム

ガンジス川の耐性菌、実態解明へ 深刻な水質汚染 健康への脅威に (2/2ページ)

 比較的水質が良いはずのインド北部で検査した際、ヒンズー教の祭礼の時期に、耐性菌が持つニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)と呼ばれる酵素の遺伝子が通常の時期の60倍の量で見つかり、危険な状態であることが判明した。現地の汚水処理システムの能力をはるかに超える汚物が未処理のまま川に流されたためとみられる。

 耐性菌はガンジス川からの浄水にも混入している可能性がある。外国人が現地の病院に入院した際に、院内で耐性菌に感染したと疑われるようなケースも報告されている。

 インドの科学ジャーナリスト、シャクン・パンディー氏は取材に「病院での耐性菌をめぐる問題などを受けて、インド政府は対策をとるよう大きな圧力を受けてきた。調査研究は、やらないよりは良い」と述べ、政府の遅すぎる動きに手厳しい。

 一方で、パンディー氏は「政府の対応だけで問題を解決させることにはならず、市民が幅広く事態を認識することが求められる」と指摘。その上で、耐性菌の出現の原因の一つとされる抗生物質の乱用に歯止めをかけることを訴えるとともに、事態を放置すれば「人間が悲惨な死を迎え始める日はそう遠くない」と警告している。(産経新聞外信部次長 岩田智雄)

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