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年金改革 中小に危機感も 非正規加入促進、保険料の負担増 (1/2ページ)

 安倍晋三首相は改造内閣発足後の記者会見で、全世代社会保障改革の司令塔として検討会議を設け、来週にも第1回会合を開催する意向を示した。政府は年金制度について、中小企業でパートやアルバイトなど非正規として働く人の厚生年金加入を進める方向で検討に入っている。だが、厚生年金の保険料は労使が折半するため、経営者側は負担増に危機感を抱く。従業員側も、将来的に年金は増えるものの、当面は保険料の支払いで手取り収入が減ることを不安視する。制度改正に幅広い理解が得られるかどうかが焦点になりそうだ。

 トリプルパンチ

 「いったいどれだけ負担が増えるのか。商売をやめる会社も出てくるのではないか」。三重県四日市市で高齢者施設向けに給食提供を手掛けるシルバーフードサービスの古谷賢治社長(50)は懸念する。

 同社の従業員は25人で大半がパート従業員。現行制度で短時間労働者の厚生年金加入は「従業員501人以上の企業」が対象だが、要件が撤廃されれば十数人分の新たな保険料が重い負担となって経営にのしかかる。

 古谷氏は「最低賃金が年々上昇し、4月からは従業員の有給休暇取得が義務化された」と語り、保険料増は“トリプルパンチ”に映る。経営の行き詰まる会社が増えれば、地域経済にも打撃になると指摘する。

 厚生年金の短時間労働者加入拡大は、過去にも徐々に進められてきたが、経済界の大きな反発を受け曲折した経緯がある「難事業」だ。

 金融庁の審議会が参院選前にまとめた「年金以外に老後資金2000万円が必要」とする報告書で不安が高まったこともあり、政府は制度改正で将来の年金が手厚くなる利点をアピール。加入拡大に理解を求める算段だ。

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