国内

大国対立 立ち位置に悩む 財界訪中団、友好的関係を演出

 日中経済協会や日本商工会議所、経団連で構成する財界訪中団は11日、中国の李克強首相と会談し、経済協力の推進を確認した。米中貿易摩擦の激化を背景に日本へ接近する姿勢を見せる中国と、友好的な関係を演出できた格好だ。ただ米中対立が貿易面から技術覇権争いに発展しており、2つの大国のはざまで日本の経済界は難しい立ち位置に悩みを深めている。

 「消費の規模はどんどん拡大している。この潜在力を皆さんと分かち合いたい」。中国商務省の幹部は10日の訪中団との会合で、予定時間を大幅に超えて中国市場の魅力を訴えた。李氏も会談で「ドアを開いているので、チャンスを捉えるよう希望している」と、積極的な投資を呼び掛けた。

 中国が日本に期待を強めるのは、米中対立で中国経済の減速が鮮明になっているためだ。4~6月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.2%増と過去最低に陥るなど、経済指標は「黄信号」が相次ぐ。

 米国による制裁関税の対象が年内にほぼ全ての中国製品に広がる恐れもあり、成長のさらなる鈍化が懸念される。

 一方、中国との距離を縮めると、同盟関係にある米国の「虎の尾」を踏むリスクが高まる。ビジネスでさまざまな選択を迫られる経済界には「米中とどういうバランスで付き合えばいいのか」(訪中団関係者)との問題が付きまとう。

 トランプ米政権は、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムで世界的に台頭する中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を続け、他国にも「ファーウェイ排除」を要請している。

 日本に対し、安全保障を結び付けて自動車の追加関税など法外な要求をする可能性も残る。ただ、米国が中国に求める国有企業への優遇措置廃止や知的財産権の保護は、日本の利害と一致する。

 日本国際問題研究所客員研究員の津上俊哉氏は「米国と中国はそれぞれ大きな振り子で動いている。両国の姿勢が変化したときに取り残されないよう常に準備が必要だ」と指摘。経済界は米国だけに肩入れせず、両てんびんにかけるべきだとの考えを示した。(北京 共同)

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