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日銀、追加緩和を見送り 弱い円高圧力 世界的潮流の「蚊帳の外」 (1/3ページ)

 日米欧の中央銀行の対応が大きく分かれた。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月に続いて利下げを決め、状況次第で追加金融緩和を実施する方針だ。欧州中央銀行(ECB)は事前の予想通りに利下げを決定しただけでなく、国債などを買って資金を供給する量的緩和の再開というサプライズまで用意した。これに対し日銀の「一手」は現状維持だった。(日本総合研究所チーフエコノミスト・枩村秀樹)

 なぜ日銀は追加緩和を見送り、静観を決め込むのか。それは3つの条件がそろったからだと考えられる。

 第1に景気をめぐる先行きの不安度が米欧より小さい。米欧中銀の緩和は景気後退を「予防」することが目的である。8月に米中貿易摩擦が再び激化し、米国で家計と企業に負の影響を及ぼすことが懸念されるようになった。

 欧州でも中国向け輸出の減少や英国の欧州連合(EU)離脱問題、中東での地政学的リスクの高まりなど景気を下振れさせる材料に事欠かない。

 もちろん足元の景気が急速に悪化しているわけではない。米欧ともに内需は堅調であり、利下げを急ぐ局面とは言い切れない。にもかかわらず行動を起こしたのは、将来の景気後退リスクが急速に高まったと判断したからであろう。

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