よむベトナムトレンド

高齢化加速、ベトナムで広がる医療ツーリズム (1/2ページ)

 ベトナム統計総局によると、2018年の1人当たり国内総生産(GDP)は前年比8.3%増の2587ドル(約28万円)だった。GDP増加に伴い増えているのが医療費で、1人当たりの医療費は16年、11年比38%増の約123ドルとなっている。

 医療サービスに対する需要は、急速に進む高齢化を背景に今後さらに増加していくとみられる。ベトナムは世界で最も急速に高齢化が進む国の一つで、全人口に占める60歳超の割合は11年に9.9%、18年11.9%で、30年には17.5%に達すると予測されている。インドネシアが15年の8.2%から30年は13.2%、フィリピンが15年の7.3%から30年は10.3%との予測をみると、ベトナムの高齢化がいかに速いかが分かるだろう。

 地方で医師不足

 一方、ベトナムは医療における供給面の整備が十分とはいえない。17年の1万人当たりの医師数は前年比4%減の7.44人で、シンガポール(24人)、タイ(18人)、マレーシア(15人)よりもはるかに低い。さらに、多くの医師がより高度な医療設備が整う病院や都市部の病院で働くことを希望するため、設備の古い病院や地方では医師不足がより厳しい。

 16年のデータでは、ベトナムには公立病院1161軒、私立病院185軒が存在し、18年現在での1万人当たりの病床数は政府目標の26床を上回る26.5床となっている。ただ、より医療レベルが高い傾向のある都市部の大病院に患者が集中し、病床利用率が100%超、ひどい場合は160%を超えるケースもある。

 こうした状況も背景に、国民は自国の医療サービス水準は近隣諸国よりも低いと認識している傾向があり、特に高所得者層で医療ツーリズムに対する需要が増加している。その市場規模は17年、13年から倍増の約20億ドルに上ったとの試算もある。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus