国内

自動車関税「将来の撤廃」明記も 日米貿易協定

 日米貿易交渉では、米国が日本車に課している2・5%の関税について、今回の協議では撤廃が見送られる一方、「将来の撤廃」を協定文書の付属文書に盛り込むことに成功したもようだ。

 新たな貿易協定では、日本が米国から輸入する農産品の関税引き下げ幅について、既に発効している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効2年目の水準に合わせるなど米国側に譲歩する。その一方、米国が日本から輸入する自動車を中心とした工業品分野の関税引き下げ・撤廃に向けた交渉を続けてきた。

 背景には、日本の基幹産業である自動車分野の関税撤廃で、米国内での日本車の競争力を高め、将来的に欧州、韓国勢との競争を優位に進めたい狙いがある。

 加えて、世界貿易機関(WTO)のルールで貿易協定は貿易額ベースで約9割の関税撤廃が必要と解釈されていることが挙げられる。日本から米国への輸出額の約3割を占める自動車の関税について撤廃方針を盛り込む必要があった。今回の交渉で、撤廃の時期は明示されないが、協定文書の付属文書に将来の撤廃を盛り込むとみられる。

 米国がTPPを離脱する前の交渉では、自動車関税を発効25年目に撤廃することで合意していたが、米国側は、雇用面での影響が大きいとしてこれを拒否。日本側は、ひとまず日本車への追加関税の回避を優先事項として交渉に臨んだ経緯がある。(ニューヨーク 飯田耕司)

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