海外情勢

トルコ、女子大設立に賛否 世俗主義とイスラム主義が対立

 トルコで女子大を設立する構想が浮上し、物議を醸している。イスラム色の強いエルドアン大統領が男女分離政策を進めようとしているとして、世俗主義の活動家らが猛反発。建国理念の世俗主義と、近年台頭するイスラム主義との根深い対立が底流にある。大統領が訪日中にぶち上げられた案だけに「国民の親日感情を利用しようとした」との批判も上がる。

 「日本の例はとても興味深い。トルコもこのような方向に進むべきだ」

 6月下旬の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で来日したエルドアン氏は、兵庫県西宮市の武庫川女子大を訪問。男女を分けた教育システムを称賛し、強調した。

 これに対して反政府系メディアは「女性を閉じ込めるのか」「わざわざ女子大をつくる意味はない」と反論し、男性優位の社会的風潮を助長するとの懸念を伝えた。

 世界には「名門」とされる女子大も多く、クリントン元米国務長官も女子大出身。日本では戦後、女子教育振興の目的で多数の女子大が設立され、少子化の波にさらされながらもブランド力を高め生き残ってきた。

 だが現在のトルコでは、「女子大」には特別な響きがある。オスマン帝国崩壊後にアタチュルク初代大統領が国是とした徹底的な世俗主義と西欧化に対し、エルドアン氏率いるイスラム主義勢力がまた一歩保守化を進めようとしている-とも受け止められるからだ。2013年に女性公務員のスカーフ着用が解禁された際にも、国民的な論争となった。

 世俗派のイスタンブール大元教授、ファトマギュル・ベルクタイ氏(女性学)は、今トルコで女子大をつくることは「国家を100年後退させる」と指摘する。

 世論は割れている。教員のトゥーチェ・ユルマズさんは女性ながら賛成派だ。「男女差別は世界中でなくならない問題。大学に通えていない女性に教育機会を与えるし、社会進出も促すだろう」

 しかし設立反対派のカフェ店員、レスル・アヤムさんは「大統領の言動は支持者へのアピール」とばっさり。「日本のような女子大はトルコにはできない」と突き放した。(イスタンブール 共同)

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