海外情勢

青空喫茶、庶民の社交の場 ミャンマー 低いいすで近づく距離感

 ミャンマーで喫茶店というと、道端に設置された“青空喫茶”が一般的だ。背の低いいすに腰を下ろして、お茶を片手に友人と語らい、くつろぐ。庶民にとっての社交場でもあり、陽気な声があちこちから聞こえてくる。

 「時間があればいつもここに来てしゃべっている。ほぼ毎日だ」。最大都市ヤンゴン中心部の脇道にある青空喫茶で、写真の専門学校に通う30代のイェ・ジーさんが大きな声で教えてくれた。

 イェ・ジーさんら4人組が座っていたのは、高さ約30センチのプラスチック製のいす。日本の浴室や銭湯の洗い場で使われるいすに似ている。いすが低い理由は不明だ。

 青空喫茶は、隣国インドからもたらされたとされる。お茶はミルクと砂糖がたっぷり入ったインド風紅茶が主流で、1杯500チャット(約35円)程度。スナック類もインド風の揚げ物やクレープが多い。各テーブルにはポットに中国茶が用意され、無料で飲める。

 地元記者によると、ミャンマーで長く続いた軍政時代には言論の自由がなかったため、喫茶店は政治談議の場と化した。庶民たちが日頃の鬱憤を晴らす場でもあったという。

 現在は民政移管し、経済も成長過程にある。ヤンゴンではおしゃれなカフェも出現しているが、青空喫茶は健在だ。

 ヤンゴンの市場内の青空喫茶で友人と待ち合わせていた30代の金細工職人、ピュー・リンさんは「お茶を飲みながら友達と話すには、この低いいすの方が居心地がいい。距離感も近くなれる」と優しく笑った。(ヤンゴン 共同)

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