海外情勢

フィリピン、ニッケル市場の空白狙う 「インドネシア禁輸」を好機に

 インドネシアが2020年1月からニッケル鉱石の輸出を禁止すると発表したことを受け、フィリピンがその“市場空白”を埋めるチャンスを狙っている。経済紙ビジネスワールドが伝えている。

 フィリピン環境天然資源省鉱山地球科学局(MGB)のウィルフレド・モンカノ局長は、インドネシアの禁輸措置決定を受け、「フィリピンのニッケル産業がこの機会を生かせるかどうかは、高品位ニッケルの供給能力にかかっている」と指摘した。

 世界のニッケル生産量は、米内務省地質調査所によれば、インドネシアが18年に56万トンでトップ。次にフィリピンが34万トンと第2位だった。インドネシアとフィリピンがニッケルを輸出する最大の相手国は中国だ。

 鉱山地球科学局は、フィリピンの19年上半期のニッケル鉱石生産量は3%増加したと推定し、モンカノ氏は「ニッケルによるチャンスが到来する」とみている。フィリピン産ニッケルは多くが低品位だが、含有量1.3~1.5%のニッケル鉱石への国際需要は一定程度あると同氏は見込む。

 加えてフィリピンは、高品位ニッケルの産出も強化する。同国で高品位ニッケル鉱石を産出する主要鉱山、タウィタウィ鉱山(バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域)は監査のため操業が無期限停止となったと報じられたが、モンカノ氏は「鉱業会社が是正措置に取り組むならば、鉱山地球科学局もそれを検証し、操業再開を自治地域に促す」と述べ、早期の生産再開を望む考えを示した。

 18年に中国に輸出された高品位ニッケル鉱石の90%は、タウィタウィ鉱山産出とされる。自治地域とフィリピン政府は8月の和平覚書で、地域の4つの鉱山の操業と監査の全てを同自治地域に委ねることで合意している。(シンガポール支局)

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