海外情勢

イギリス議会の休会「違法」で…ジョンソン首相と王室の関係悪化か (1/2ページ)

 【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、ジョンソン首相と王室との関係悪化が懸念されている。ジョンソン氏が強硬離脱路線に反発する野党の動きを封じ込めるために断行した議会の休会措置に対し、英最高裁判所が「違法」との判決を出したのが発端だ。最高裁がエリザベス女王の裁可を得て実施した休会措置を否定したことから、女王の「面目」が潰れたと指摘される。王室の首相に対する信頼が崩れる中、女王がジョンソン氏の辞任を望んでいるとの見方が広がりつつある。

 ジョンソン氏は、9月10日から約1カ月後の10月13日まで議会を休会する措置をとったが、最高裁が「違法」とする判決を出し、議会は9月25日に再開していた。

 議会の休会を決める権限は首相ではなく、国家元首の女王にある。ただ、女王は今回、王室が首相の助言に従う英国の慣習により、ジョンソン氏の休会の要求を認めたとみられている。

 だが、英BBC放送によると、ジョンソン氏が首相就任後、総選挙に勝利して国民の信を得ておらず権威が乏しいことから、女王がジョンソン氏の要求を拒否することもできたとの意見も出ている。最大野党・労働党のコービン党首は休会を認可した女王に抗議するために面会を求めていた。

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