海外情勢

イギリス首相、EUに新離脱案送付 ユンケル委員長「提案には問題点」

 ジョンソン英首相は2日、欧州連合(EU)に対して新たな離脱案を送付した。合意なき離脱に至れば「政治の失敗だ」と述べつつも、自らの提案にEUが関心を示さない場合は合意なき離脱に進む考えを示唆した。EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は「(受け取った提案には)問題点があり、さらなる作業が必要だ」と指摘し、難色を示している。

 ジョンソン氏はユンケル氏に宛てた提案で、従来の離脱合意案で争点となっていたアイルランド国境の「バックストップ(安全策)」に代わる案を打ち出した。この提案では、英領北アイルランドは農産品と工業製品についてEUのルールに沿った規制にとどまるが、EU離脱に伴う移行期間終了時に北アイルランドの議会と政府がEUルールにとどまるかを採決で決定できる。残留を決定した場合でも、4年ごとに再び採決の機会が与えられる。

 ジョンソン氏はアイルランド国境やその付近での検査は省略すると言明した。提案についてユンケル氏は「ポジティブな前進」を歓迎しつつ、「関税規則など難しい点がある」と指摘した。アイルランドのコーブニー外相は「これまでに伝えられた詳細で判断するとジョンソン氏の提案は合意への基礎になりそうにない」と述べた。

 ジョンソン氏にとっては、今後数日が極めて重要になる。合意に失敗すれば、議会の追及に遭い、法廷闘争が待ち構える。宣言通り合意なき離脱を実現できるか、最終的には裁判所の判断となる可能性もある。アイルランド政府などから否定的な反応が聞かれているため、見通しは明るくはない。(ブルームバーグ Tim Ross)

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