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中国小売市場、「ニューリテール」の現在地は (1/2ページ)

 中国小売市場は、アリババグループや京東集団(JDドットコム)をはじめとするオンライン事業者の急成長によって、百貨店やスーパーなど伝統小売りの苦戦が続いている。2016年以降、オンラインとオフラインが融合した「ニューリテール(新小売り)」の提唱がされ、オンライン事業者、伝統小売り事業者、スタートアップ企業などがこぞって新しい事業モデルにチャレンジしている。筆者は17年7月に本稿でニューリテールの台頭を紹介したが、2年余りが経過した現在、各社の新業態へのチャレンジの成果と課題を紹介したい。(野村総合研究所・郷裕)

 注目される「盒馬」

 最も動向が注目されているのが、アリババが運営する「盒馬(フーマー)鮮生」である。16年に上海で1号店をオープンさせたのを皮切りに順調に店舗数を拡大し、18年末現在で149店舗に達し、中国連鎖経営協会が発表する18年の中国チェーンストアランキングにおいて47位にランクされるまで成長した。半径3キロ内なら30分以内に配送する宅配サービスや店頭で販売されている海鮮類をその場で調理して食べられるライブ感などが支持され、売り場効率はウォルマートや大潤発などの伝統小売りの約5倍に達するといわれている。今年5月末に閉店第1号が出たことで成長鈍化を指摘されることも出てきたが、アリババが保有するビッグデータを生かし、高い出店成功率、配送効率を実現している。

 盒馬鮮生で培ったノウハウを伝統小売りへ移植する動きも出ている。アリババが資本参加している大手スーパーの大潤発には、近隣への配送システムやオンライン会員制度などの仕組みが移植されるなど「盒馬」化が進んでいる。確実に運営効率の改善にはつながっている一方、売り場面積の不一致や品ぞろえの違いなどの課題もあり、十分な改革につなげられるかは今後の課題であろう。

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